レベル1における室内空気汚染 (P46)

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ユニセフによると、肺炎は子供の感染による死因でも上位に入る。5歳以下の子供、とくに2歳以下の子供に多い。2015年には、1日に2500人の子供が肺炎で亡くなった。

これらのほとんどは極度の貧困にある地域で起きた。人口の半分が極度の貧困にあるタンザニアのような国では、家庭の消費エネルギーの95%が燃料を燃やすことでまかなわれている(ソース:世界保健機関が2013年に行った室内空気汚染についての調査)。極度の貧困においては、ほぼ全ての家庭が石炭またはバイオマス(薪、家畜のふん、農作のゴミなど)を料理や暖房に使っている。

毎年400万人以上が室内空気汚染で亡くなっている。肺炎で亡くなる5歳以下の子供のうち、室内空気汚染が原因だったのは50%以上だ。(ソース: 世界保健機関。こちらこちらを参考に。)

レベル1における家庭の平均人数 (P46)

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レベル1の家庭の多くでは子供を5人以上つくり、そのうち平均1人が亡くなる。詳しくはこちらを参照のこと

レベル1の暮らしを支える子供たち (P46)

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ソマリア、エチオピア、ルワンダなど、人口の大半が極度の貧困にある国では、5歳から14歳の女子のほとんどは毎日2時間以上家事を手伝う。水を取ってきたり、薪を拾ったり、料理を担当する。水源が遠かったり、薪が手に入りにくい地域では、1日のほとんどを家事に費やすことも少なくない。詳しくはユニセフの記事を参考に: "Narrowing the Gaps---The Power of Investing in the Poorest Children." (UNICEF2)

レベル2における医療費 (P47)

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レベル1や2の暮らしでは、一寸先は闇だ。レベル1を脱した人のうち、おそらく約半数は1、2年以内にレベル1に逆戻りするだろう。Anirudh Krishna著“One Illness Away: Why People Become Poor and How They Escape Poverty”(2010)には、極度の貧困を脱しようとしている人々が病気にかかるとどうなるかが描かれている。社会保障や保険がないため、病気にかかったら一巻の終わりだ。レベル2にいる人々は世界銀行による定義の「低中所得層」とほぼ同じだが、世界銀行によると、この層は医療費の平均55%を全額現金で支払っているという。

世界銀行はVoices of the Poor (World Bank [12])という全3巻からなるインタビュー集を出しており、47カ国の貧しい人々の話が載っている。これによると、極度の貧困に逆戻りした人たちの多くは、不運な病気がその理由だったと答えている。

レベル2における冷蔵庫と食べ物 (P47)

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レベル2に暮らしていても、冷蔵庫を持っている人は多い。しかし電力供給が不安定なため、ほとんどの人が冷蔵庫に頼りだすのはレベル3になってからだ。ドル・ストリートで人々の冷蔵庫の中を覗いてみると、所得によって食材のバリエーションが増えることがわかる。

レベル2における繊維工場の仕事 (P47)

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カンボジアだと、2017年の衣料品業界の最低賃金は1日5ドルだった: "Cambodia raises 2017 minimum wage for textile industry workers" (ロイター)

レベル3における交通事故 (P48)

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レベル3に暮らす勤労層が身体障害を負う原因で最も多いのは交通事故だ。参考資料はこちら: IHME[3] "Road injuries as a percentage of all disability." GBD Compare

レベル4における出版業 (P49)

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レベル4の国では、毎年約1000人あたり1冊の新刊が発売される。Wikipedia[1]UN-Pop[1]によれば、これはレベル3の5倍の水準だ。

レベル4における教育 (P49)

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レベル4にいるほとんどの国において、人々は平均12年以上教育を受ける。これはつい最近レベル4になったサウジアラビアやアラブ首長国連邦にも当てはまる。例外はバーレーン、オマーン、カタールなど、比較的小さい湾岸諸国のみだ。詳しくはIHME[2]Barro-Leeを参照のこと。

レベル4における観光 (P49)

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トリップアドバイザー社は、Ipsos MORIと共同で2015年1月16日から2月2日のあいだに観光に関するオンライン調査を行った。報告書(The TripBarometer 2015)によると、2014年にはレベル4の国の人口の半分以上(1000人中約600人)が2014年に国外に旅行した。大半は観光目的だった。これはレベル3と比べると人口あたり6倍以上の水準だ。(参考: World Bank[13]UN-POP[1])